「やってみなはれ」
人情ドラマのタイトルみたいな言葉ですが、好きな言葉です。
道外、様々な土地を経由して北海道に来た私にとって、この北海道で植物を
扱う仕事をしていて時々思うことがあります。
「もっと植物のバリエーションがほしいな」
北海道には北海道ならではの植生があります。
北海道だけに限らず、その土地の自生種を保護する為にも外来種を入れると
いうのは賛否両論あるかと思いますが私の意見として書かせていただきます。
北海道でこの仕事をしていて「あの植物は越冬できない、北海道じゃ育たないよ」
という言葉を同業者や植物に詳しい方から聞く事がよくあります。
私もその一人でした。経験以外でも専門書や他人からの知識で植物の北限を
知り、意見していたのは事実です。
しかし最近、その考えはどうだろうかと疑問に思うようになりました。
札幌市内を見渡すと、北海道では育たないと言われている樹木がすくすく
育っているのを見かけることがあります。
柿の木、サルスベリ、ネムノキ、竹、イチジク、サンショウ、ツバキ、etc
その他にも沢山の種類があるように思います。
その殆どは個人のお庭で植えられているものです。(札幌市のど真ん中、
北大植物園には大きな柿の木と孟宗竹(?)がありますね)
道内のお庭や公園で植えられている植物(特に樹木)の殆どは「北海道では
育たないよ」という植える側からの発想と、入手のしやさやコスト面で選ばれた
ものばかりだと思います(中には本州からの帰化植物も実は多いのですが)。
また、北海道で実績のない植物を当社のような造園業者が植えるには
そのリスクをどうしても考えてしまいます。
その結果、どこも似たような植栽になっていますよね。
そこで皆さまに提案です。
インターネット通販や旅行先、本州の知人の方から北海道で見たことが
ない植物を入手できれば、それをお庭で植え、成長を見守られるのも
お庭の楽しみの一つとしていかがでしょうか。
もちろん前例のない植物を植えるには本当に越冬できないかもしれない
リスクも伴います。植物が枯れたり傷んでしまう事もあり、可哀想ですよね。
日照条件や冬季の積雪状況、メンテナンスのやり方といった環境にも
左右されると思いますので各植物の特徴を調べていただく事が必要です。
その他にも宿根草のような非常に繁殖力が強い植物が根付くと、沢山増え
すぎて後々大変になることもあるかもしれませんから手始めとしては樹木の
苗木を植えられる事をお勧めします。
実は当社もモデルガーデンで密かに本州から取り寄せた樹木を育てて
います。低木で花が咲き、トピアリーとして強い刈込にも耐えられる丈夫な
樹木が越冬できる事が分かりました。
また、本社の前庭にはこの春からオリーブの木を植えて11月現在も元気に
育っています。私はこの木を試しに冬季間放置してみたいと思っているものの、
冬を前に社内からの「可愛そうだから鉢上げして室内に入れる」という説得に
負けつつ、いまだにもしかしたら越冬できるんじゃないか、みんな鉢上げを
忘れてしまえと願っているところです。
北海道のお庭でオリーブが実をつける・・・そんな密かな楽しい妄想を抱く
今日この頃です。
もちろん、例えば九州に寒冷地でしか育たないと言われるシラカバや
アカエゾマツやエゾヤマザクラがあったり、リンゴやハスカップが実って
いたり・・・意外な植生が探せばあるのかもしれません。
お庭で隠れた楽しみをお持ちの方いらっしゃいましたら是非おしえてください。
また、リスクをご承知いただいた上でとはなりますが、こんな植物を植えて
みたいと思われる方もいましたら、是非お問い合わせください。
「やってみなはれ」的な思い切りの先にある楽しさや発見のお手伝いも
できればと思っております。

